リトル・ミス・サンシャイン【ネタバレあり】

今日も街に出ていない。
たぶん、あと2、3日は街にでない。


リトル・ミス・サンシャイン』を観た。


登場する主な人物はプルーストを研究する元学者の家族たち。
彼はゲイであり、恋した男子学生に振られる。
しかも男子学生が付き合い始めた相手は、プルーストを研究するライバルの学者であった。
そのショックから、彼は自殺しようとするも、病院へ送られ一命をとりとめた。
病院には彼の妹が駆け付け、兄を家に連れて帰る。
彼の妹は結婚しており、夫と2人の子供、それから夫の父と暮らしている。
子供は高校生くらいの男の子と、小学生低学年くらいの女の子だ。
この女の子がリトル・ミス・サンシャインと呼ばれる美少女コンテストに
参加することとなり、彼らはコンテスト会場へ向かう。
コンテスト会場へは、飛行機を使って移動したほうが良いほど遠く離れていたが、
彼らにはお金がなく、オンボロの車で出かけることになった。
物語の序盤は登場人物の人柄を紹介するエピソードがえがかれ、
中盤は、コンテスト会場へ向う道中のいくつかの出来ごと、
終盤は、コンテスト会場での出来ごとという流れになっている。


登場人物の設定はこんな感じ。
兄      プルーストの研究をしていたゲイの元学者。
妹      世話焼きで癇癪持ちの女。
妹の夫    成功哲学をプレゼンする、成功する見込みがなさそうな男。
夫の父(祖父) 薬でラリって老人ホームを追い出されたエロおやじ。
息子     パイロットを夢見るニーチェ崇拝の童貞。沈黙の誓いを立てており誰とも話さない。
娘      お腹がぽっこりでているちょっと肥満気味のもっさい女の子。


話の流れ
・車の一部が壊れて、全員で車を手押しで勢いつけないと、車が動かなくなる。
 『おにいちゃんのハナビ』って映画でも思ったのだけど、
  外に出て運動(『リトル・ミス・サンシャイン』では車の手押し)した人は表情が明るくなる。
・祖父は車の中で「もっとヤリまくりゃよかった」と喚き散らす。
 娘はイヤホンをしていたので聞こえていなかったが、イヤホンを取り、
 「何の話をしていたの」という質問に「政治の話だよ」と答える。
 卑猥な話とお堅い話のギャップが笑える。
 そして祖父は元気であるという伏線になっている。
・休憩所に着き、祖父は兄に何か買ってきましょうかと尋ねられポルノ雑誌を頼む。
 ここでも祖父は元気が有り余っており、死とはほど遠いことを意識させている。
・休憩所で兄はポルノ雑誌を買うが、そこで彼が恋した男子学生とはち合わせる。
 必死で隠そうとするけど、好きだった人にポルノ雑誌を買うという恥ずかしいところを見られてしまう。
・妹の夫が頼りにしていた広告業者(?)から、あんたはダメだと言われる。
・祖父はがっかりしている妹の夫に「おまえはよくがんばった」と優しい言葉をかける。
・コンテスト会場までは一泊しないと着かないので、宿に泊まる。
・宿ではコンテスト前夜をひかえた娘に祖父が振付を指南。
 振付を指南しているのが祖父であることは最初の方でも語られている。
・寝る前に自信を失っていた娘に対して、祖父は優しい言葉をかける。
・そして、その翌朝、まさかの祖父死亡。
 祖父は元気いっぱいでハチャメチャだけど、思いやりのある優しい人という描写がここで活きてくる。
・祖父の遺体を病院から持ち出さないとコンテストに間に合わないため、
 全員で病室から車へこっそり遺体を持ち出す。
 こういうバレないようにとる行動は緊張感を高めて、映画への集中力を持続させる。
・クラクションが壊れ、鳴りっぱなしになり、警察に止められる。
・車の中には遺体が置かれているのに、警察は車の後ろのドアを開けろと命じる。
 ここでも、遺体を運んでいることがバレるかもしれないという緊張感がある。
・ドアが開けらればれてしまうかと思いきや、ドア付近に置かれたポルノ雑誌を取り上げて、
 「おれはこういうのが好きだ」とニヤニヤするだけで、遺体に気付かれずに済む。
 ここでまさかポルノ雑誌が活きてくるとは・・。
・息子が色盲であることが発覚し、パイロットになる夢が破れる。
・息子はショックで暴れ出し、車が止められ、外に飛び出す。
・沈黙を守っていた息子がショックのあまり「ファーーーーク」と叫び狂う。
 ショックの大きさを、何カ月も守っていた沈黙の誓いを破るということで表現している。
・外に飛び出した息子を母がまず説得しに行き、次に娘が説得しにいく。
・コンテスト会場へ向かう道を間違えて、しかもバックができない道を進んでしまう。
 しかし、コンテストまでの時間がなく、バックできる場所を探している時間はない。
 そこで、柵を壊して無理やりコンテスト会場に向かう。
・コンテスト会場での受付をわずかに過ぎていたが、受付させてくれと頼む。
 しかし、締切の時間が過ぎているのに受付しては不公平だと、受付のおばさんは聞き入れない。
 このおばさんの態度が、コンテストは真面目で真剣だという雰囲気を伝えている。
・なんとかもう一人の受付の人に聞き入れてもらい、コンテストに参加できるようになる。
・コンテストは12人くらいの女の子が出場する。みんな化粧して気合いが入っている。
 さらに、歩き方や立ち姿はモデルのようだ。
 一方で、妹は恰好も歩き方も立ち姿さえもっさい。
・一人ひとり自己アピールの歌やダンスを披露していく。
 みんな洗練されており、妹は明らかに場違いという感じが醸し出される。
・ついに妹の自己アピールの番になったが、なんと祖父から指南されたダンスは
 ストリッパーのダンスだった。エロジジイさすがである。
 これを見た会場は凍りつき、あんなもの見てはいけないとばかりに退出する人が出始める。
・受付の固物おばさんは司会にダンスを止めるよう指示するが、家族はみんなでそれを阻止。
 結局、家族全員でストリップのダンスを舞台で踊ることになる。
・家族全員が舞台に上がったことで、その後、コンテストへの出禁をくらう。
・しかし、家族はボロい車に乗り込みさっそうとコンテスト会場を去っていくのだった。


思いだしながら書いたから抜けてるところあるかもしれないけど、
こうやって書き出してみると、ホントよく考えられてる!
地味だけど、ところどころ笑えるし、緊張感をうまく持続させてる。
みんな演技がうまかったけど、なにより脚本がすごく良い作品だった。
脚本がいいっていうと『ハングオーバー』を思い出す。
すっかり内容を忘れてしまったから、また見てみようかな。


いまさらだけど、ナンパ関係なさすぎて普通の日記だねコリャ!
違うブログつくろうかな。