恋?キャメ即


忘れられない。
ぼーっとしてると思いだす。
水族館へ行ったり、鎌倉でゆっくりとした時間をすごしたり、
どこか旅行に行きたいと次から次へとわき出てくる。
二人でいれたら幸せだろうな。


はぁ、これって恋?




音と光の中、踊り狂う。
会ったこともない人たちが一体となって、そこにしかない空間をつくっていく。
プッシュハンザップ、プシュハンザップ。
思いっきり手をあげる。
片方の手はずっとあの子の手を握っていた。



木曜は平日にも関らずクラブに行った。2時に連れ出して、どこかの誰かと
ゆっくり寝ればいいとたかをくくっていた。
いつの間にか時間は3時。
そして一人。
サラリーマンの私は明日仕事。
外に出て夜風にあたった。
あまりにも悔しくて、家まで歩いた。
しかし、迷子になった。
地図を見るも、携帯の電池も切れていた。
それにも関らず、歩いていると少しずつ気分が静まっていく。
寝静まった住宅街、
タクシーの中で深く眠っている運転手のおじさん、
道路工事をしている人々。
そんななか、その日の出来事を反芻して
次に活かせることがないか探った。


そして金曜、渋谷でストをした。
私が女の子と話していて、じゃあね、と去っていくところを
伯爵さんに目撃されていた。
ビタ止めじゃないですか、とニヤニヤ。
なんだかこそばゆかった。
伯爵さんはお友達と来ていて、その方も素敵な方だった。
服はおしゃれだし、髪型がすごく似合っていた。
だから、髪型似合ってますね、と言うと
そうやって女の子口説いてるんでしょ、とまたもやニヤニヤ。
べ、べつにそんなことないよ!


地蔵トークはまだまだ弾む。
今日は一人で来たんですか?


いちごさんと来ました。」


そう、いちごさんから連絡をいただき合流していた。
だが、彼はいつものごとく連れ出し中で、私は一人でストを続けていた。
そして、連れ出しから戻ってきた後、一緒に二人組へ声をかける。
うわっ、トークうまっ。
結果がでている理由を垣間みた。


それから、今日は連れ出せなかったなぁ、
と思いつつも家へ向かう電車にのった。


家から最寄りの駅につくと23時近く。そこでガマンさんから連絡が!
ちょっと辛いことがあったらしく、連絡したとのこと。
そう言われたら放っておくことはできない。
後からいちごさんに言われたのは
「それマブダチじゃん(笑)」。


ガマンさんは自身のことをこう表現している。
「腕は8流、しかし折れない心は1流」
私はガマンさんの腕も1流だと思っているのだが、心は間違いなくその通りだ。
笑顔を絶やしたところを今まで見たことがない。
あれは才能だなぁ。


さて、再度渋谷に降り立ったのはキャメに行くためだ。
ガマンさんに何があったのかを聞きつつ、ストをしつつキャメへ向かう。
なるほど、それはひどいなと頷ける話だった。


キャメに着くと、さっそく二人組に声かけ。
よく見ると、強そうな体つきだった。
自分から話しかけておきながら、そそくさと去る。


ドリンクを手にガマンさんのもとに戻ると、二人組はいなくなっていた。
悪いことしたなぁ。ごめんね!


場所を変えるため一つ階を下がる。
フロアに入ると、バーカウンターから
飲み物を手に歩いてくる子がいた。
気づいたら声をかけていた。
いつものごとく、こんばんはから始める。
乾杯をして、一人で来たのー?と他愛のない話をする。
声が聞こえるように耳元へ口を近づける。
ふざけてちょっとペロッとしてみた。
彼女の照れた感じがかわいかった。
踊りたいと言うので、持っていたドリンクをグイッと飲み干し
ダンスフロアへ向かう。



早く行こっ、と手をつなぐ。
プッシュハンザップ、プシュハンザップ。
二人して天井に向けて手をあげる。
お酒もほどよくまわって、音と光の世界へ。


喉が乾けばバーカウンターへ。
ゆっくりと過ごすために上の階へ移動する。
そして、これも一気に飲み干す。
またもやダンスフロアに移ると、今度は打って変わって、まったりムードだ。
ゆらゆらと音に合わせて揺れる。
顔を近づける。
少し下を俯く彼女と唇を合わせた。
音に揺られる、キスをする。何度か繰り返したあと
「何がしたい?」と見つめてくる。


それから外に出て、朝まで二人で過ごした。


【今日の一言】
やられた!


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