恋の終わり

クリスマスの話をする女の子が現れたら、それは夏が終わったことを意味する。
もうすっかり秋だ。
夏に比べるとほどよい気温で、ストにでやすいにも関わらず、めっきりと街に出る機会が減っていた。

恋をしていたからだ。


無理して好きになるのを止めるつもりはなくて、好きになったらそれを楽しもうと思っていた。


デートするのが楽しみで、ずいぶんと久しぶりに「ヤル」ことを予定にいれないデートプランを考えた。それは、日没の時間まで考慮していた。日没の時間は17時49分だから、待ち合わせの時間は15時、電車に乗って目的地に着くのが15時30分、どこどこをまわって、食事が18時。ちょうど夜景が綺麗に見え始める時間だ。普段よりちょっと贅沢な食事をしてから、海岸沿いを歩くと、二人とも雰囲気に酔った。近くにあるベンチで肩を寄せ合い、そっとキスをした。


「完璧すぎて感動だった(>_<;)」とメールをもらった。一日に2行程度のやりとりが、そのデートのあとはだんだんとメールの分量も増えて、15行程のやりとりにまで増えた。ほんとに嬉しかったんだろう。


しかし、私の気持ちはというと、メールの量が増えるたびに心が離れていった。
好きだ、早く会いたいという気持ちはなくなっていた。
夢中にさせておいて勝手なのだけど、面倒になってしまったのだ。
さらに、デートの日にナンパの合流申請が続いた。未セクからもアポメールがきたが、すべて断った。
いくら興味がなくなったとはいえ、約束したら守るのが筋だ。
だが、デートよりもナンパに時間を使いたいという気持ちが余計に強くなった。
たとえ坊主だとしてもその方が楽しい。


恋をすると、脳内に「恋愛回路」なるものができる。
それは相手のことを考えるだけで気持ちよくなってしまうのだ。
だから、相手のことを考える。すると、さらにその回路は強化される。
回路が強化されればもっと相手のことを考える。
こうして相手に夢中になっていく。いうなれば、恋愛中毒だ。
中毒はギャンブルのように抜け出したくても、抜け出せない状態だ。
私はこれが怖い。自分で自分をコントロールできなくなるのは嫌なのだ。
だから、女の子からの気持ちが強くなったと感じると、自分の気持ちにブレーキをかける。
意識してかけているわけではない。自然と、そうしてしまう。
好きになったらその気持ちに素直になりたいと思う反面、恋愛中毒にはなりたくない。


家から近い吉野家に行くと、あのおじさんは必ずいた。
いつも左隅のカウンターに席をとり、牛皿にビールを頼む。
彼の持ち物はいつも同じで、ビニールをかぶせた三越の丈夫な紙袋だけだ。
「おねぇちゃん、いつものやつ!」で注文が通るほどの常連だ。
ときおり、「今日はお客が少ないな!」とか
「やっぱここの牛皿はうまい!ありがとな!」と独り言のようなことを
店員のお姉さんに向かって話している。
お姉さんは「そうですね」「えぇ」と事務的な返答をする。


私は一人で生きてはいけないと思っている。
パートナーを見つけて二人で家庭を築いていきたい。
もちろん偏見なのだけど、あのおじさんのように吉野家で事務的な返答しかもらえない一人ぼっちの人生は歩みたくない。
だけど、自分の気持ちにブレーキをかけたままでは、あのおじさんは私の将来の姿そのものだ。
どうすればいいのだろうか。
その答えを求めて、秋はナンパをする。


いつもありがとうございます(^_^)秋は活動していきます。
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